(症状と、その克服方法)

火事が起きたらどうしようと不安になることは、誰にでもあることですが、この不安が常に頭に浮かんでしまい、日常生活に支障が出てくるというレベルになると、火事恐怖と言われる強迫観念症の症状になります。

最も一般的な災害であるために、火事恐怖と呼ばれていますが、地震や雷、津波、寒波、地球温暖化といった自然災害の不安に対する症状だと言っても良いと思います。

最近は、地球温暖化の話題がテレビなどのマスコミで取り上げられることが増えているので、おそらく、地球温暖化恐怖と読んでも良いような強迫観念症の人も増えているのではないかと思います。

将来のことは誰にも分かりませんから、ここに注意を向けてしまえば、誰でも不安になってしまうものなのだと思います。

しかし、普通は、毎日の生活を送る中での日常茶飯事に注意を奪われているために、将来にだけ目を向けるということは少ないのですが、毎日の生活を特に抵抗なく過ごせる状況にある時は、注意の向けどころがなく、このため、将来とか未来に対する不安にとらわれやすくなるのではないかと思います。

こういう意味で、他の強迫観念症にも言えることですが、ある面では贅沢な悩みだと言うことも出来ると思います。

つまり、戦争中とか、食糧難の時代で、毎日の食べ物にも事欠くような状態であれば、強迫観念症に悩んでいる余裕はないのではないかと思います。

ただ、キッカケは、こういうところにあったとしても、症状に悩むようになってしまうと、いくら頭で考えても、症状から、なかなか抜け出すことが出来なくなってしまうものなのです。

しかし、この火事恐怖の症状も、その根本原因は神経症から来ていますから、森田療法の考え方を身につけていく中で、注意の方向が現実的な「なすべきこと」の方に向くようになってくると、この結果として、少しずつ改善してくるものなのです。

ただ、このためには、ある程度の時間が必要になってきます。

つまり、薬を飲んだりすれば、これですぐに治るという単純なものではないと言えるのです。