「あしたのジョー」名言集

ようようよう!
はっはっは どうしたいちびっこども!
いつになったらかかってきてくれるんだい
もたもたしてるとこちとらほんとにおかぜをめしちまうじゃねえかっ
矢吹丈 物語冒頭にて
冒頭に発せられたジョーの啖呵。
いやがおう無しに流れ者の少年・矢吹丈の性格を読者に掴ませる名文句…とは言い過ぎか?

矢吹丈…この少年の性格は残忍で非情で利己的で…
まるでかわききったさばくだ!
草一本生えてないっ
心理学の先生 練馬鑑別所にて
たった2、3の問答で断定してしまう心理学博士とは違い、我々はジョーの真っ直ぐな心根を知っている。そして、彼の見せる粗暴な態度が虚勢である事も理解している。それだけに、嫌でも印象に残ってしまう台詞と言えるかと。

え〜問われて名のるもおこがましいがあ
生まれて父の名も知らず やさしい母の顔 知らず
世をすねぐれて十五年
孤児院ぐらしは身につかず ひたすらもとめた自由の天地 かさなる脱走数十回
ガキのころからパンチが強く 御意見無用のけんか一代!
流れ流れたドヤ街で へんなおやじにつきまとわれて〜(ふふ…拳キチのおやじいまごろなにしてるかな)
インスピレーションひらめくや〜 チンピラ連隊ひきつれて一世一代の大ばくち
ばかなブン屋をペテンにかけてぇ マスコミ利用し世間から せしめた黄金百万両!
御用御用とむらがる捕手 あたるをさいわいぶったおし〜
さすがの警察お手あげなれど へんなおやじにはりたおされてぇ(けっ あんときのパンチはこたえたぜまったく…)
鑑別所でも大あばれぇ!
のされたボスがここにいるぅ
ついたところが特等少年院〜と
無法無頼の一匹おおかみ 矢吹丈たあおれのこったあ!
矢吹丈 特等少年院にて
捨て鉢とも言うべき…これも虚勢。逆に、虚勢を張らねば天涯孤独のジョー少年は生きられなかったのかもしれない。

あしたのために(その1) =ジャブ=
攻撃の突破口をひらくため あるいは敵の出足をとめるため 左パンチをこきざみに打つこと
このさい ひじを左わきの下からはなさぬ心がまえで やや内角をねらい えぐりこむように打つべし
せいかくなジャブ三発につづく左パンチは その威力を三倍に増すものなり
丹下段平 ボクシング通信教育より
あまりにも有名な「あしたのために」。

気…気にくわねえ…
そりゃあ青二才どものへなちょこむちなんざ本気でなぐろうがなぐるまいがびくともしない拳キチおやじじゃないが…
もとボクサーだからってタフだから思いきり打って迫力を出せるというあの女の神経が なんか こうむしょうに気にくわねえっ
矢吹丈 葉子の慰問演劇を見て
そう…これこそが矢吹丈という少年の本質なのだ。

そ…それじゃいいましょう矢吹くん
丹下段平氏や子どもたちが院内へはいれるようにとりはからい またあなたを反省房から出してもらうように手を打ったのはわたしがさせてもらったことよ

ああそうらしいね
そして おれが感謝感激してなみだをこぼさなきゃまた そこで腹をたてるんだ…
つまり万事が恩きせがましいんだよ
はるか雲の上から優越感でやってることなんだ
うわべだけの愛 かたちだけの親切 いわばすべてにせものなんだな!

に…にせものですって…?
おだまりなさいっ

そーら それが正体さ
おれは理屈なんてえのはにがてだが もしかすると葉子おじょうさまよ…
あんた ここにいるあわれなれんちゅうのためじゃなく 自分のためにこんな慈善事業をやる必要があるんじゃないのかね
え?自分のためによ
矢吹丈(と白木葉子) 葉子の慰問演劇を見て
痩せっぽちの狼なれど、意地がある。素直に施しを受けられる程ズルくもない…少年ながら、ジョーは確かに孤高であったのだ。
今まで見せた虚勢、粗暴な態度も孤高であるが故。
一見、狂犬の様に牙をむく人間を選ばない粗暴そのものの言葉ではあるが、その言葉には人の本質を抉る鋭さがある。

「あした」…といっているわね しきりに…
「すばらしいあした」はきょうという日をきれいごとだけ…おていさいだけととのえてすごしていては永久に やってこないわ
血にまみれ あせやどろにまみれ きずだらけになって…しかも他人には変人あつかいをされる今日という日があってこそ…
あしたは…ほ…ほんとうのあしたは…!
白木葉子 あしたのために=その3をジョーに伝授し自らも失神した段平を見て
思えば、白木葉子がひたすらに矢吹丈の「あした」に干渉し続けたのはこの時のこの台詞が原因なのかもしれない。

さっきわいがくらった一発は…いつか 鑑別所でわたりあったときにくらった一発とはまるで べつのもんやった…
なんや ようわからんうちに気をうしのうてしまったが…お…思い出してもそらおそろしいパンチや…
えらいもんを身につけたもんやで ジョーは…
ただ…ただわいが気がかりなのは…ジョーが一つ一つおそろしいパンチをおぼえていくたびに…ジョー自身も一つ一つ…
ふ…ふしあわせにのめりこんでいくような気がすることや…
西寛一 ジョーのクロスカウンターを食らった後の医務室にて
何も知らない状態で初めて「あしたのジョー」という作品を読んだ際には恐らく殆どの人が然程気にも留めない台詞ではあるが、、一度読んだ後…その苛烈なジョーの生き様を見届けた後、ふとした事で思い出すように「あしたのジョー」を読み返した時、この台詞が初めて読んだ時とはうって変わって非常に重いものの様に感じさせられるのだ。

あまいよ西!
拳闘のリングに人間味なんぞひとかけらほどもいらんわい
必要なのはファイティング・マシン…つまり とことんまで戦いぬく非情な機械だけが要求されるんじゃいっ
丹下段平 ジョーVS力石の草拳闘試合にて
こんな台詞を吐く段平のオヤジではあるが、丹下ジムでは一番人間らしい存在だったりもする。

ま…まちな…
…いまさら…どこへずらかろうってんだい…
自分で火をつけておいて…か…火事場からにげだすって法はないぜ ええ?おじょうさんよ…
そうやってきれいなお目々をしっかりとひらいて…さいごのさいごまで見とどけるんだ
あんたはこの試合の首謀者なんだから おしまいまでちゃんと責任もってな
矢吹丈 力石戦、凄惨な試合展開に葉子が席を立とうとした際に
この台詞も、後の葉子の行動に大きな影響を与えている台詞。ある意味、葉子がジョーの人生の”首謀者”になった瞬間。

だれも…だれも気がついていないようだけど…
かれは…打ちあいながらないているわ…
ないているわ…かれ
あの負けずぎらいの矢吹丈が―相手を打ちながらないている…
白木葉子 少年院の寮別対抗拳闘試合にて
このジョーの姿にこうして気がついた葉子。やはり、この頃からジョーが葉子にとって誰よりも…そう、力石よりも気になる存在となっていたのだ。

い…いままで青…おめえのことをのろったり…ばかにしたりして…
す…すまなかった…あやまる…!

さっきの試合―きいたぜ おめえのパンチ
何度だめだとあきらめかけたことか…
もうばかにしたりしねえよ…ほかのやつらにもさせねえ
まあ…いまさらおまえをばかにするような勇気のあるやつもいねえだろうけど

それから…おっちゃんよ おれって…まったく単純なんだな
われながらつくづくいやんなったよ…

強くなるぜ…おっちゃんの期待にそえるようにな
力石にも…負けねえよ!
矢吹丈 対青山戦の後に
粗暴さに隠れたジョーの素直さ、実直さを現した代表的な台詞かと。
他人に対し虚勢を張ることしか出来なかった少年、矢吹丈が変わった瞬間でもある。

いりゃあいたでやっかいだし…いなくなるとへんにさびしくなるなんて…おかしな男だよ 矢吹ってやつは
教官 矢吹丈の退院に際し
少年期のジョーを、これ以上雄弁かつ的確に語った言葉は、劇中にも他に無い。

この橋はな― 人呼んでなみだ橋という
いわく…人生にやぶれ 生活につかれはててドヤ街に流れてきた人間たちが なみだでわたるかなしい橋だからよ
三年ほど前のわしもそうだった
おめえもその ひとりだったはずだ…
だが こんどはわしとおまえでこのなみだ橋を逆にわたり あしたの栄光めざして 第一歩をふみだしたいと思う
わかるか わしのいうてる意味が…ああ?わしのいうてる意味がわかるかよジョー!
丹下段平 丹下拳闘クラブ旗揚げ時
有名な「泪橋を逆に渡る」くだり。
ちなみに、同じく梶原一騎原作で何かと比較対象とされ易い「巨人の星」にも泪橋は登場する。

その晩おこなわれた矢吹丈の退院祝いと丹下拳闘クラブ発会式は
それこそなみだ橋がこわれるのではないかと思われるほどのにぎやかさであった―
うわさをきいたドヤ街の住人たちも それぞれ酒やさかな お菓子などをかかえてあつまってきたからである

段平はしあわせであった
西も またしあわせであった
子どもたちもいままでになくしあわせそのものであった

しかし しあわせをいちばんふかく強烈に感じたのは矢吹丈ではなかったろうか―
ジョーは生まれてこのかたこんなに 人にしたわれたことはなかった
こんなに愛されたことはなかった
こんなにまぶしいほどのよろこびを感じたことはかつて 一度もなかった

ジョーはこのうれしさや よろこびや しあわせ感謝を いま ここでどう表現していいかわからなかった
ぼんやりとゆめでも見ているようにみんながおどりくるいわらいうたうのをただ見つめるだけであった

子どもたちが帰り 住人たちもそぞろ ひきあげていったあと
屋根うらに作られた寝床にもぐりこんだジョーは こっそり泣いた
酔いつぶれた段平や西に気づかれぬよう ボロふとんのはしをかみしめてひとり 泣いた
ジョーが人間の愛になみだを流したのは今夜がはじめてのことであった
矢吹丈の退院祝い兼丹下拳闘クラブ発会式のナレーションより
台詞ではないが、ドヤ街の連中に初めて受け入れられたと感じたジョーの素直な気持ちであろう。
やはり、ジョーは粗暴なだけの男ではなかったのだ。

はでなだけでなく 記事になるだけのニュース・バリューをもった男ですよ
おそろしいやつです
ちんまり合格するような男なら さして 恐怖もかんじない…
テストなどというわくからはみだしてしまう八方やぶれなところに戦慄をかんじるんです

テスト不合格…さすがは矢吹 してやったりってところですね
力石徹 矢吹のプロテスト不合格を新聞で読んで
拳を交えたものだからこそ言える言葉だろう。
この時点でジョーという男を一番良く知るのは、白木葉子でも丹下段平でもなく…力石徹だったのだ。

ち…ちがうってば…ちくしょう
ま…まあきいてくれよ!
つ…っつまりその…おれはその…いままで世の中をわたってきて…な なにをやっても不合格の烙印をおされつづけてきた
それが…け 拳闘だけがおれを合格させてくれたんだ
そ…そいつがうれしかったんだ

うむ…わかる よくわかるぞその気持ち…
わしにしたところでおなじことよ
生まれてこのかた つきに見はなされっぱなしのようなうらぶれた人生をおくってきたこのわしが
自分の手で自分のゆめを―
ともかく軌道にのせることができたんだ!
レールにのせたばかりだから 万事これからにせよ…どんなくるしいときもこのいまの感激をわすれまいぞジョー!


わ…わかってらい
矢吹丈&丹下段平 ジョーのプロテスト合格を受けて
このやり取り…力石の死を経ていかにジョーが変わったかが逆説的によく分かる。

本心をいやあ おれは 一日も早くチャンピオンになって金をかせぎたい
日本も東洋も できれば世界のタイトルをもものにして金をかせぎ
富と名誉をこの両手ににぎって世界のボクシング界に力石徹の名をとどろかせたい!
ただ…思うに あの小つぶだがものすごいやつを―
矢吹って男をそれ以前にこの腕でたおしておかんことには…胸を張りボクシング界に君臨することができないような気がするんです…わかりますか
もし…あいつをみごとたたきのめすことができたら そのときにこそおれは おれの野望をめざし 富と栄光とをめざして自信満々つっ走ることができるでしょう
要するに…かんたんにいえば
おれと引き分けたような男が―
たとえ 階級がちがうにせよおなじ世界に生きているということに耐えられんのですよ この力石徹という男は!
力石徹 矢吹戦に向け減量を開始時
力石にとってのジョーを現す台詞。
何だかんだとはいえウエットなジョーに比べ、かなりドライな考えであった事が伺える。
しかしその誇り故の拘りは悲劇を生む事に…。

こんなところを見たくなかったぜ西…
ぶざまだな みじめだな…ええ おい!
おまえはもうみそっかすになりさがったんだ…おれや力石の生きる世界からな
見たくなかったよ…おまえを信じていたかったよ

お…おっちゃんがいつか いうたとおりやった…一度飲んでしもうたら…一度食ってしもうたら
それまでの減量が苦しければ苦しいほど…もう耐えられんようになる…と
わ…わいはあかん…だめな男や…

そうさ おまえはだめな男さ 男のくずさ
恥をしるがいいぜ 恥を!
おれはだんじて負けんぞ!
力石もおそらく苦しみに耐えるだろう 耐えるってことそのものが拳闘の世界なんだ
おれたちはその世界で生きていくんだ
矢吹丈&マンモス西 減量中にうどんを食っているのをジョーに見られて
ネタとして良く使われるシーン。
その後、西は紀ちゃんの結婚式の席ですらコレをネタにジョーにからかわれるハメになる。(笑)

あ…ありがとうおじょうさん…そのお気持ちだけ…ありがたく飲ませていただきます
(葉子が渡した白湯をこぼし)
もうすこしで…くじけるところでした…試合はもう目と鼻のさきにせまっているというのに―
でも もう大丈夫…きざないいかただが…おじょうさんのその涙を見て決意が さらにかたまりました
もう 今後かぎも見はりもいりません
ほんとうにだいじょうぶ
この やせさらばえたからだで りっぱに矢吹丈と打ち合ってみせます
ありがとう おじょうさん…今夜はぐっすり眠れそうです おやすみなさい
力石徹 壮絶な減量中に
「なつかしアニメなんたら」といった特番で、ジョーと力石の決着…握手を交わそうと差し出した手を避けて倒れる力石のシーンと並び、よく使われるシーン。

あの かぎをかけられたうすぐらい地下の物置で…カサカサにかわいたミイラのごとくやせさらばえてじっと試合をまつ力石徹―
かたや 血とあせにまみれてくりかえしマットにはいつくばる傷だらけの矢吹丈―
どっちが勝つとおもうね あんた…?

さあて…見当がつかんね
さっきもいったように これは人間同士の試合じゃない
けもの同士が命をかけた死闘だよ

いざ 試合という日にふたりとも リングに立てるのかどうかさえ…見当がつかん

ひょっとすると ふたりとも負けるんじゃないか…
記者達 対決前の力石、矢吹両陣営を見て
何気ない台詞だし、別に主要人物の口から出た言葉でもないのだが…ジョーvs力石戦の結果…いや結末、そして今後の「あしたのジョー」という作品をも予言していた重要な台詞かと。

ふふ…こ…殺しちまったよ…
この手で…この手で力石を殺しちまったよ…
り…き…
力石よ……
り……きい…し…
矢吹丈 死闘後、玉姫公園にて
ジョーのウエットさというのが強烈に出ているシーン。
彼でなくとも、逃避という選択肢を選んでしまうだろう。

はっきりいいます
あなたはリングでウルフ金串のアゴを割り再起不能にし そしてまた力石徹をも死に追いやった罪ぶかき プロ・ボクサーなのよ
こんなところで裂けにひたり ぐちをこぼし おだをあげてる気楽な身分ではないはずだわ!
このままでは男として義理がたたないでしょう
あなたはふたりから借りが…神聖な負債があるはず!
いま この場ではっきり自覚自覚なさい
ウルフ金串のためにも力石くんのためにも 自分はリング上で 死ぬべき人間なのだと!
あなたはいま リングをすてるつもりらしいけど…そうはさせないわ!
おそらく力石くんもウルフさんもゆるしはしないでしょう
わたしもだんじてゆるしません!
白木葉子 力石の死後、酒浸りになっていたジョーに対し
逃避したジョーに対してあまりに辛辣な言葉。だがこの言葉がその後のジョーの行動原理となる。
そういう意味で言えば、この言葉こそ葉子が最もジョーを見ていた…理解していた、という証なのかも。

段平さん もうかれをボクシングから足をあらわせて
おねがいします
このままつづけさせると矢吹くんだめになってしまう 廃人になってしまう
いまだってすでにもう…
とくに最近は人がかわったようになってしまって…
人間じゃないわ 闘犬用に育てられた…それこそ傷だらけのかませ犬みたい
紀ちゃん 顔面を打てなくなったジョーを心配して
これもまた何気ない台詞ではあるのだが、この時に紀ちゃんが感じたジョーへの心配が、有名な埠頭でのデートでの台詞に繋がっている。

おれが いままで戦ってきたあいてはチャンピオンの尾崎じゃねえ
一位の原島でもねえ ましてや 二位の南郷でもねえ
力石徹―あの偉大な男の亡霊だってことはふたりともご存知のはずじゃねえか…
やつの亡霊が ジョーおまえにゃ負けた もう解放するよ…と
おりるまでおれは戦いぬくつもりさ
それでもだめなら矢吹丈も一巻のおわり
そいつが力石とおれとの掟じゃねえか そうだろ
やるぜ トコトンまでよ

おっちゃん… 西…
チャンピオンダメ 一位ダメくらいでうろたえてた日にゃ いまに八位とも九位とも戦わなきゃならないかもしれねえ矢吹丈だ
つとまりゃしねぇえだろうからいまのうちにこっそり消えちまいな
矢吹丈 欠陥ボクサーとなっての悲壮な決意
アニメ版では嘔吐物がキラキラと光る事で有名な、顔面を打つと嘔吐してしまう様になったジョーの捨て鉢とも思える台詞。
この辺の流れ、段平や紀ちゃんのジョーへの想いと、白木葉子のジョーへの想いが対極であるのも重要なポイントだ。

いまのかれは もはや あのときのかれとは別人なの…
うちの力石くんと戦ったとき―
あのときのかれはうつくしいほど狂暴で精悍な野獣そのものだった
でも いまのかれは老いさらばえつかれきった一匹のやせ犬にすぎないわ
あまりにもみじめったらしくて目をそむけたくなるの
白木葉子 ジョーvs南郷戦にて
少年院…いやそれ以前から、葉子は表向きは力石に好意を寄せており、実際に退院後彼を全面的にバックアップしていた訳だが、何かというとジョーを気にしたり、と彼に惹かれる…まではいかないにしろ、強い興味を覚えていたのは確かなのだ。だからこそ、力石を殺したトラウマにて自滅寸前のジョーを見て、ある種「裏切られた」様な思いを抱いたのではなかろうか。

け…拳闘の…拳闘の魔力ってやつはつくづくおっかねえ…
いってみりゃ…一度 拳闘にとりつかれるとどんなうつくしい悪女の魅力よりもとことん 男を血まよわせ…狂わせ…
若さにたぎる血の最後の一しずくまですいつくしたあげくのはてに ボロボロにされてポイ…さ
いいかジョー おめえは一度拳闘界から見はなされている身なんだぞ
去る者は追わず…おめえもいいかげん拳闘を見はなすんだ
足をあらうんだ
これ以上のめりこんじゃいけねえ!
丹下段平 カーロスの登場に燃えるジョーに対し
この台詞、ある意味段平自身が一番骨身に染みて分かっている事なのかも知れない。
彼は片目を失い選手生命を絶たれ、トレーナーとしての道も奪われドヤ街に流れ着いた後も、周囲の人々から”拳キチ”と呼ばれるほど拳闘に執着していたのだから。

それにしても…なんともはやおどろいたね あんたって人は
ときどき思いもかけないような運命の曲がり角にまち伏せしていておれをひきずりこむ…まるで悪魔みたいな女だぜ

迷惑だったかしら…

迷惑なんかじゃない
その悪魔がおれの目にはヒョイと 女神に見えたりするからやっかいなのさ
矢吹丈&白木葉子 カーロスとのエキシビジョンを終えて
積極的にジョーに干渉するようになった葉子を皮肉った台詞。
なれど、その干渉にジョーは敢えて自身を晒していた、とも思える節がある。

いま おれのからだの中で…おれが 気がつかないほど奥のほうで
チロチロ 火が燃えはじめているのが見えるんだ
導火線みたいに ゆっくりチロチロ…ってよ
ふふふ へたをすりゃ自爆するおそれもなきにしもあらずだがな はっはっはっはっはっはっ…
矢吹丈 カーロスとの決戦前に
矢吹丈完全復活を予期する台詞。
この台詞も、考え様によっては「まっ白な灰になって」に繋がる。

悪魔…そうかもしれない
ひょっとするとわたしは 矢吹丈を生きながらに地獄へひきずりこむ悪魔―
そして…ひょっとするとこの 後楽園球場の特設リングが 今夜こそ 彼の墓場になってしまうかもしれない…
白木葉子 後楽園球場でのジョーvsカーロス戦直前にて
敢えて、ジョーを拳闘という鎖で縛りつけ、やがては破滅に追い込んでしまう…そんな恐怖心を持っていた葉子は、ジョーがしばし皮肉る様な嫌な女ではなく、実はジョー自身もコレは分かっていたのだろう。

わたしはこの試合の…首謀者
白木葉子 後楽園球場でのジョーvsカーロス戦
「あしたのジョー」の…とりわけ”白木葉子”を語るにおいて最も重要な、言わばキーワードが、「首謀者」だ。

世界タイトル…なんとしてもとれよな カーロス
長い滞在期間だったようだが…ついにおまえさんとはろくすっぽ口をきくこともないままおわった
顔さえつきあわせれば ただひたすらになぐりあうだけでな
だけど…あのなつかしい力石の場合でもそうだったが たがいの血とあせをたっぷりすいこんだグローブで徹底的にぶちのめしあった仲ってもんは
百万語のべたついた友情ごっこにまさる 男と男の魂の語らいとなっておれのからだになにかをきざみこんでくれた…
がんばれや カーロス
矢吹丈 カーロスを見送る空港にて
この台詞を見るに、他の…金竜飛やホセとは違い、力石とカーロスには共通点が多い。だからこそ、力石を殺した後、カーロスがパンチドランカーに侵され廃人となった際は「今度は」とつぶやいたのだろう。ホセに対し、何だか気にくわねえと感じたのも、ジョー、力石、カーロスに共通する部分に反していたから、だといえよう。

拳闘はな
弱肉強食の世界さ
噛みつかなきゃ噛み殺される
だからこっちとしちゃ必死で…それこそ死にものぐるいで噛みつくんだ
だが…あいての流した血にたいして―とまってしまった心臓にたいして ある負い目がのこるのもたしかだ
こいつはおれだけの感じかたかもしれないがな
まあ…へんなたとえかもしれないが…
人を殺したやつは死刑になるって掟が 世間にあるように
まがりなりにも拳闘の世界で血を流しっこして生きてきたからには…いまさらちゅうとはんぱなかたちでつかれただの 拳闘をやめたいだのってぜいたくはいえねえような気がするんだよ
死んだ力石にたいしても…あごの骨をくだいて再起不能にさせたウルフ金串にたいしても―それと こんどの廃人になっちまったというカーロス・リベラにたいしても…さ

そんな…矢吹くん考えすぎよ
だいいち ボクシングはスポーツなんじしょう
スポーツに負い目だの死刑だのって感覚が すでにおかしいわ!


だから さっきおれだけの感じかたかもしれねえってことわったろ
よそうぜ もうこの話は
矢吹丈&紀ちゃん 玉姫公園にて
この台詞、実は力石が死んだ後、拳闘から逃げていたジョーにクラブで出会った葉子の言葉の受け売りでもあったりする。
しかしこの言葉が、最後までジョーの行動原理だった事は間違いない。

矢吹くんは…さみしくないの?
同じ年ごろの青年が 海に山に恋人とつれだって青春を謳歌しているというのに



矢吹くんときたら くる日もくる日もあせとワセリンと松ヤニのにおいがただよううすぐらいジムにとじこもって
なわとびをしたり 柔軟体操をしたり シャドー・ボクシングをしたり サンドバックをたたいたり
たまに 明るいところへ出るかと思えば そこはまぶしいほどの照明に照らされたリングという檻のなか―
たばこのけむりがたちこめた試合場で よっぱらったお客にヤジられ
ざぶとんを投げつけられながら闘鶏や闘犬みたいに血だらけになってなぐりあうだけの生活…
しかも からだはまだ どんどん大きくのびようとしているのに体重をおさえるために食べたいものも食べず 飲みたいものも飲まず
みじめだわ 悲惨だわ
青春と呼ぶにはあまりにもくらすぎるわ!


ちょっとことばがたらなかったかもしれないな…
おれ 負い目や義理だけで拳闘をやってるわけじゃないぜ
拳闘がすきだからやってきたんだ
紀ちゃんのいう青春を謳歌するってこととちょっとちがうかもしれないが 燃えているような充実感はいままで なんどもあじわってきたよ…血だらけのリング上でな
そこいらのれんちゅうみたいにブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない
ほんのしゅんかんにせよ まぶしいほどまっかに燃えあがるんだ
そして あとにはまっ白な灰だけがのこる…
燃えかすなんかのこりやしない…まっ白な灰だけだ
そんな充実感は拳闘をやる前にはなかったよ
わかるかい 紀ちゃん
負い目や義理だけで拳闘をやってるわけじゃない 拳闘がすきなんだ
死にものぐるいで噛みあいっこする充実感が わりと おれすきなんだ

矢吹くんのいってること…なんとなくわかるような気がするけど
わたし…ついていけそうにない
矢吹丈&紀ちゃん 夜の埠頭にて
ご存知の通り、ここでの「燃えかすなんかのこりやしない…まっ白な灰だけだ」がラストシーンに繋がった訳だ。
しかしもっと重要なのはこの言葉を境にずっとジョーに好意を寄せていた紀ちゃんの心がジョーから離れ、冷たいものへと変わって行く。その最たるものが、悪態をつきつつも結婚する西と紀ちゃんを祝福するジョーに見せた、紀ちゃんのあの目であろう。
普通の感覚の普通の女の子である紀ちゃんには、ジョーの言う世界が理解できない事をなにより彼自身が知っていた。だからこそ、好意を寄せてくれていた事には気がついていたものの気づかぬフリをして拒絶…普通の女の幸せを自ら選ぶよう仕向けた、というのは勘繰りすぎだろうか。

おっちゃんよ…
このさいはっきりとことわっておくが バンタムというところはな
バンタムというところはあの力石徹が命をすててまで おれとの男の勝負のためにフェザーからおりてきた場所なんだ
それでなくてもリミットぎりぎりだったっていうのに―さらに一段おりてきてくれたんだぜ
いまのおれの減量苦なんぞ比じゃねえ
それこそ地獄の底をのたうちまわる苦しみだったろう
ちょっとくらいつらいからってサヨナラできるかよ
生涯の敵―生涯の友との古戦場バンタムによ
矢吹丈 金竜飛戦前の丹下ジムにて
対矢吹戦前の力石の壮絶な減量を思わせる減量を敢行するジョー。乾いてカサカサになり腫れぼったくなった彼の顔…その描写が凄まじい。

わたしはいくら知らなかったとはいえ ほんのわずかなひとにぎりの食料のために自分の父親を石でたたき殺した男さ
父親の血で手をまっかによごした男さ…ふふふ
それからというものは一度も満腹したことがないから 胃ぶくろはちいさくちいさくちぢこまるいっぽう―おそらく子どもなみだろう
許容量がきまってしまい なにを食ってもすぐに満腹してしまう
したがって血となり肉となる消化量もきまり 体重増加の心配などしたくともしようがない…
減量苦だと?
はっ そんなものわたしにいわせるならすくなくとも過去に 腹いっぱい食った時期があり だらしなく胃ぶくろをひろげてしまったやつのぜいたくさ
ボクシングの世界は弱肉強食だって?
ノーノーままごとだよ
ままごとなればこそ わたしはいくらでも冷静におちついて…
…しかも徹底して残酷に つめたく最後までリングをつとめることができる
グローブや安全なルールで保護されたなぐりあい程度で富や名声が手に入れられるなら 実際 そんなものおやすいご用ってところだ
ボクシングはじつにのどかな平和な世界なんだよ わたしにとっては…
金竜飛 ジョーとの試合直前のレストランにて
タレントの千原ジュニア氏がこの台詞に感銘を受けた、なんて何かの番組だか本だかで語っていたそうだが…。

力石とおなじ道…か
そうだ…力石も飢えていたんだ…
力石も餓えていたんだよ…
おれはこの金竜飛が…飢えのため 父親を 石でたたき殺したという話をレストランできかされてから…
それから…そ…そのくぐってきた地獄のでかさにあぜんとし…
こっぴどく劣等感をうえつけられちまった…
減量のへたくそな満腹ボクサーが…あの偉大なる金竜飛に勝てるわけがねえ…と そう すっかり思いこんでしまったんだ…
しかしなにか…なにかひとつこの金には屈服しきれないものがあった…
そ…そのなにか…とは
あの 死んだ力石徹も飢え かわいていたという事実だっ…
ひとにぎりの食料のために親を殺した金はまだしも 水だけはガブ飲みできたろうが…力石は「水さえ」も飲めなかった…!
しかも金は「食えなかった」んだが 力石の場合は自分の意思で「飲まなかった」「食わなかった」…!
飲まず食わず―それゆえの死と ひきかえに…力石徹は男の戦いをまっとうし おれとのきみょうな友情に殉じたっ!
なんのことはねえ…死の寸前の飢えがなにも絶対じゃねえ
みずからすすんで地獄を克服した男がいたんだ!
おなじ条件で!
人間の尊厳を!
男の紋章ってやつを!
つらぬきとおして死んでいった男を おれは身近に 知っていたんじゃねえかっ!!

金竜飛よ…おまえは力石に おとるんだ…
おまえは…自分だけがたいへんな地獄をくぐってきたかのように思いこみ…しかも そいつを自分の非情な強さとやらのよりどころとしているようでは…
なぁ はっきり力石におとるぜ!
いままでは ついついごたいそうなものみてえに錯覚しちまっていたが…このさい力石以下のおめえさんに負けたとあっちゃ…
かれにたいしてなんとも もうしわけがたたねえんだよおお〜っ
矢吹丈 vs金竜飛戦にて
男としては、やっぱりコチラの台詞に熱くなるというものかと。
vs力石戦、vsカーロス戦、vsホセ戦という3大柱に比べて些か地味な印象がある金竜飛戦であるが、ファンの中では評価が高く、ジョーのベストバウトとして挙げる人も少なくないのだ。

こんばんは矢吹くん…さんざん逃げまわったけど この武道館の控室にだけはやってこないわけにはいかなかったわね
しかたなくわたしも ぎりぎりどたん場のこの日にかけるしかなかった
矢吹くん リングへあがるのはおやめなさい!
手紙に書いた あなたにとってショッキングな事実…というのをいいます

どうした…早くいえよ


矢吹くん…あなたの全身はパンチ・ドランカー症状にむしばまれています
しかも そうとう重症の…!
これは斯界の権威 ドクター・キニスキーの診断であり 厳然たる事実です!!

だからどうした


だから…どうした…?
そのからだでリングにあがり あの ホセ・メンドーサの猛威にさらされればあなたは一生を廃人として送ることになるんですよ
あのかわいそうなカーロス・リベラのように!!


カーロスのことは口にするなよ
あんたがカーロスのことを口にしちゃいけねえ
あんたにはその資格がねえ


彼の…いえ…彼のことはともかく いまさら今夜の試合を中止するとなれば 当然莫大な違約金をチャンピオンや主催者たちに支払わなくてはならないでしょう
それは全額 わたしが負担します
ですから…おねがいだからいますぐ引退を発表して!!

きいてるの矢吹くん!


いろいろいってくれるが…むだだよしな



ま…まさか…まさか知っていて…廃人になる運命を覚悟のうえでリングにあがるというのではないでしょうね…!?

ふふふ…あんたからごていねいな忠告をきかせてもらうまでもなく 以前からうすうす知っちゃいたさ 自分のからだだよ
だからってどうってこともないさ もうここまできちまってはな
すでに半分ポンコツで勝ちめがないとしたって そういうことじゃないのさ


や…矢吹くん…!

せっかくだが出てってくれ
いつかもいったろう…ここは女のくる場所じゃねえ

あんたが出て行かないのなら おれが出ていくぜ


まってよ矢吹くん!

まだ なんか話があるのかい…

お…おねがい まってちょうだい

ほう…あんたにも涙ってもんがあるとは意外だったな

たのむから…リングへあがるのだけはやめて…一生のおねがい…!!


ま…心配してくれてるらしい 光栄だね ありがとうよ


すきなのよ矢吹くん あなたが!!
すきだったのよ…最近まで気がつかなかったけど
おねがい…わたしのために わたしのためにリングへあがらないで!!

こいつあ…おどろいたな とんだ衝撃の告白だ
女性週刊誌にそのネタを売ってみな 大よろこびでとびついてくるぜ


まじめにきいて 矢吹くん

おれがふざけているように見えるかい
よしてくれ 女がかるがるしくそんなセリフをはくもんじゃねえ じつにやすっぽく見えるぜ


やすっぽく見えようがどうだろうとそんなこと問題じゃない…
この世でいちばん愛する人を…廃人となる運命のまつリングへあげることは絶対にできない!!



ジョー… おいジョー どうしたあけろ! そろそろ出番だぞ なにしとる あけんかジョーッ

リングには世界一の男 ホセ・メンドーサがおれを まっているんだ
だから…いかなくっちゃ


矢吹くん…!

ありがとう…
白木葉子&矢吹丈 ホセとの世界タイトル戦の控室にて
途中は軽口を交え突き放すような態度を見せつつも、最後の「ありがとう…」という一言が、何ともジョーらしい。
あまりに報われぬ愛の告白…に見えてしまいがちだが、実はちゃんと報われていたのではないか?と思うのだ。
そう、ジョーのあまりにも駆け抜けた人生と同じく。

ジョー…もうよそう
あ…あの偉大なチャンピオンあいてにここまで しかも片目だけでこんなにりっぱに戦ったんだ
もうこのへんでおしまいにしよう
わしは…わしゃあもうこれ以上見ちゃいられねえ もうたくさんだ!

まってくれよおっちゃん…
おれは…まだまっ白になりきっていねえんだぜ

まっ白…?
まっ白たあ…どういう意味だジョー

いつだったかなあ…
たしかあれは…後楽園球場でカーロスと一戦をまじえたあとだったと思うが…
なんとなく目標をうしなってぼんやりしていた時期があったんだよ
そのとき…あの 林屋の紀ちゃんに もうボクシングはやめたら…と言われてね


回想シーン(上記した紀ちゃんとジョーの会話シーンに)

わかるかい…つまり…その燃えかすがまだ のこっているんだよ
ブス ブス…とな


まだやるってえのか そんなからだで…

たのむや おっちゃん
たのむや…まっ白な灰になるまでやらせてくれ
なんにもいわねえでよ…


ジ…ジョー…
矢吹丈&丹下段平 世界タイトル戦のインターバルにて
林屋の紀ちゃんとのデート(?)の際の言葉を受けた台詞。
原作者である梶原氏の書いた「ケンカには勝った」という最終回が納得できず、猛反発してちば先生が梶原氏にねじ込んだ、というエピソードはあまりにも有名。
正直、梶原原作マンガでありながら、ちば先生のおかげで梶原色が良い具合に薄まった事こそ、「あしたのジョー」が比類無き傑作となった理由だと思う。

ああ 私は…
わたしはまたいつかのように逃げようとしている…
わたしが首謀者なのに…

矢吹くんゆるして
逃げないわ もう…
この試合…これからさきどんな結果がまちうけていようと―
もうわたしはけっして逃げたりはしない!
もう……いまさらもどっても まにあわないかもしれないけど…
白木葉子 試合会場かせ帰宅しようとした車中で
”首謀者”…葉子にとって特等少年院時代から続く因縁にも似た言葉。
背負うのは辛かったろう…例え自ら望んでそうなったとはいえ…。

も…もうすこしじゃないの矢吹くん…
がんばるのよ
あなたが…あの 世界一強い男とどこまでりっぱに戦いぬくか
このリングの下から最後までしっかり見とどけさせてもらうわ!
さあいいわね 力いっぱう打つのよ!
渾身の力をふりしぼって…悔いのないようにしっかり打つのよ!

お…おじょうさん…
おじょうさんあんた…そんなむちゃなことを…!

がんばるのよ…見ているわ矢吹くん
白木葉子&丹下段平 試合会場のリングサイドにて
見届ける事を決意した”首謀者”葉子の…最愛の者に捧げた悲痛ながらも暖かい言葉。
この時の葉子は…本当に”いい女”だと思う。

燃えたよ…
まっ白に…燃えつきた…
まっ白な灰に…

(し…し試合終了です!!終了ゴングと同時に 精も根もつきはてたかチャンピオン がっくりとたおれかけましたがこれはダウンになりません
勝敗はついに判定にもちこまれましたっ
それにしても十五ラウンドの長丁場 終始すさまじい試合展開を 見せたこの世界タイトルマッチ!
日本の矢吹 よくやりました!
最後の最後までがんばりぬきました ケンカ屋ジョー!!
さあ 判定はどうでますか!?観衆は総立ち!…レフェリー採点カードをあつめていおります

おっちゃん…おっちゃんよ…

お…おお!…なんだジョー

グラブを…はずしてくれや

お…おいきたっ

(あつめた採点カードを係にわたしましたレフェリー
さあ まもなく判定がでます)

葉子は……いるかい

こ…ここにいるわ矢吹くん…!

このグローブ…もらってくれ
あんたに…もらってほしいんだ…

(レフェリーが判定を 読みあげます
勝敗はどちらか…緊張する一瞬!!)

(ホセ!!)

ああ…

(ざんねん……ざんねんです!!ぜ…善戦むなしくやぶれました日本の矢吹!!…)

(ああ…っ…ホ ホセの顔を見ろ…かみの毛も…あんなに…)

お……おしかったなジョー…
しかし…ようやったぜ
わしゃあもう…もうなんもいうこたあねえ
よう…やった…

ジョー……
矢吹丈白木葉子丹下段平 ()内はアナウンサー、レフェリー、観客 伝説のラストシーンより
ジョーはどうなったのか?…その答えは、我々ファンの心の中にある。